トピックアウトライン
がんを対象とした単群Phase II試験のベイズ流デザイン《講師:佐立崚》
がんを対象とした単群Phase II試験では、奏効割合をprimary endpointとしたαエラーや検出力に基づく頻度流の手法が一般的に使われてきました。近年分子標的薬など対象を限定した臨床試験の増加に伴い、ベイズ流のデザインが注目されています。ベイズの考え方からベイズ流のデザインを使ったがんを対象とした単群Phase II試験の実施の流れまでを解説しました。基本的な頻度流の手法については「今さら聞けないがんを対象とした単群phase II試験」、がんを対象としたphase II試験全般については「がんを対象としたphase II試験のデザイン」をご覧ください。
(本講義は令和3年度AMED生物統計家育成推進事業で作成されました)01:02:43
今さら聞けないがんを対象とした単群phase II試験《講師:水澤純基》
がんを対象とした第II相試験では、奏効割合をprimary endpointとした単群の試験で行われることが一般的です。ただし、実際の研究では、2-stageデザインや、Simonのデザインなど様々なバリエーションが存在します。本講義では、伝統的な単群のphase 2試験を深掘りして解説しました。
(本講義は令和3年度AMED生物統計家育成推進事業で作成されました)01:02:27
マスタープロトコル試験 バスケット型デザインとベイズ流アプローチ《講師:平川晃弘》
近年、マスタープロトコル試験と呼ばれる包括的プロトコルを用いた臨床試験が注目されています。マスタープロトコル試験では、バスケット、アンブレラ、プラットフォーム型の臨床試験デザインが用いられます。本講義では,マスタープロトコル試験について概説し、本邦で実施されることが多いバスケット型デザインとその統計解析手法(ベイズ流アプローチ)について解説いたしました。「Biomarker-driven trial design」も合わせてご覧ください。なお臨床試験デザインの基本については、「 がん臨床試験のデザイン」をご覧ください。
01:13:11
Data sharing 《講師:Laurence Collette》
本講義は、がんの多施設共同臨床試験グループJCOG が欧州最大のがんの多施設共同臨床試験グループEORTC と開催したJCOG-EORTCシンポジウム (2017年12月2日開催)を収録したものです。EORTCで行われているData sharingについての講義です。
みなさんは「Data sharing」について知っていますか?製薬企業の団体から2013年に公表された「責任ある臨床試験データ共有の原則」を契機として、臨床試験の個人データを公開・共有が行われるようになりつつあります。医学雑誌編集者国際委員会(International Committee of Medical Journal Editors : ICMJE) も、2018年7月1日以降に投稿される論文にはデータ共有に関する記載をするように求めています。
EORTCは、これまでに数多くのがん臨床試験を実施し、その試験データを個々の研究者に提供してきました。それらの経験をEORTC統計部門の部門長であるLaurence Collette博士にお話して頂きました。ICMJEのData sharingについては、片山宏先生の講義をご覧ください。(本講義は発表、スライド共に英語です)00:17:37
Biomarker-driven trial design 《講師:福田治彦》
本講義は、がんの多施設共同臨床試験グループJCOGの主催した第20回JCOG臨床試験セミナー(中級編)(2017年10月14日開催)を収録したものです。がんの臨床試験で利用されているバイオマーカーを用いた臨床試験デザインについての講義です。
近年、がんを対象とした治療は特定のバイオマーカーを標的とした薬剤や特定の患者のみに効果が認められる薬剤開発が行われています。今まではがん種ごとに治療開発が行われてきましたが、がん種によらず特定のバイオマーカーが見られる患者をまとめて臨床試験が行われるようになってきました。本講義では、バイオマーカーを用いた臨床試験デザインとして提案されている様々なデザインを「試験デザインマップ」として整理し、それらのデザインの特徴、用いられる状況について詳しく説明して頂いています00:33:06
臨床試験における一般化可能性を考える 《講師:水谷友紀》
本講義は、がんの多施設共同臨床試験グループJCOGの主催した第20回JCOG臨床試験セミナー(中級編)(2017年10月14日開催)を収録したものです。臨床試験の結果を日常臨床に適用する際に考えるべきことについて解説しています。
近年、がん臨床試験の対象者が日常臨床の患者集団と乖離し、一般化が困難になっていることが議論されています。では、どのようにすれば臨床試験の結果を日常臨床の患者集団に適用することができるでしょうか。本講義では、どのようなことが結果の一般化を困難にしているか考察し、それを解決するための考え方、および提案されている臨床試験デザインの例(pragmatic trialなど)についても紹介して頂いています。00:37:49
がんの臨床研究論文を読むのに必要な統計学 《講師:山本精一郎》
この講義は、臨床腫瘍学会の教育セッションBで「論文を読むために必要な統計学」というタイトルで話しているものをより丁寧に解説したものです。
ご自分で臨床研究をやっている方よりも、臨床研究初学者や、がん臨床研究論文になじみのない方に対して、臨床試験を中心に、臨床研究の方法論的な側面から典型的な論文の読み方を解説しました。
簡単な内容から高度な内容まで雑多な内容の講義となっており、臨床研究にお詳しい方には少々物足りない内容となっていると思いますが、初級者向けの内容としてお話しいたしましたのでご了承ください。01:24:02
メタアナリシスの方法と実践 《講師:手良向聡》
この講義では、メタアナリシスの経験豊富な統計家である京都大学の手良向先生に、メタアナリシスの理論的な側面、実践、その利点と限界についてお話しいただきました。
メタアナリシスの話はよく聞くが実際何をしているのか、いまいち、よくわからんという方にきっちりわかっていただきたいと思い、企画いたしました。
メタアナリシスの目的、実施手順、具体的な解析方法、文献に基づく方法と個人データを集める方法の違い、治療効果が均一な場合と不均一な場合、メタ回帰と公表バイアスへの対処の仕方まで幅広い内容です。01:44:13
医療経済評価の方法と活用 《講師:福田敬》
分子標的薬などの開発が進み、治療選択は増える一方で高額な医療費も問題となってきています。 何を基準に選択するかを考える際に必要な医療経済評価について福田敬先生に講義頂きました。
01:16:35
がん臨床試験のエンドポイントはPFSかOSか? 《講師:大橋靖雄》
臨床試験デザインは年とともに変化しています。中でも、エンドポイントを何にするかというのは古くて新しい問題です。がんの臨床試験では、これまでOS(全生存期間)をプライマリ・エンドポイントにするのが一般的でしたが、近年、PFS(無増悪生存期間)を採用する試験が増えており、また、それに対する批判も多くあります。そこで、東京大学の大橋先生に、生物統計学だけでなく様々な観点から、最近の報告例を用いてその考え方を解説して頂きました。がんのみならず、QOLを含め、エンドポイントを何にするか考える際の根本的な考え方を学んでください。
00:57:36
臨床試験における質とは何か? 《講師:大橋靖雄》
今回、「臨床試験における質とは何か?」をテーマに、統計家目線による講義です。
この講義をきいて、質が高い臨床試験とは何か?どういった条件が必要か?ご自分でも考えてみましょう。01:04:23
ベイズ流試験デザイン 《講師:石塚直樹》
ベイズ統計学は、第I相試験でMTDを効率的に探索するCRMや、近年では、molecular subtypeで細分化された集団に対する複数薬剤の有効性を評価するBATTLEやI-SPY2試験でも活用されており、注目が高まっています。
本講義ではベイズ統計学の基本的な考え方のほか、その臨床試験への適用方法と解釈について、講義します。01:46:23
医療経済評価の手法の基礎 《講師:白岩健》
医療費高騰や医薬品の値段の高騰が問題となっている現在、医療技術の評価や導入には、医療経済的な考え方、視点を理解した上で物事を考えることが必須となってきています。
本講義は、国立がん研究センターがん対策情報センターが主催した、メディア向けセミナーの医療経済評価の第一回目の講義を抜粋したものです。
医療経済評価を学んだり、論文を読んだりするうえでの基本的な概念をご説明いただいているので、基礎知識習得のためにぜひ受講ください。※この講義には講師の映像はありません。スライドと音声のみとなります。00:20:35
諸外国での医療経済評価の政策応用 《講師:五十嵐中》
本講義では、「諸外国での医療経済評価の政策応用」をテーマに、基本的概念の復習に加え、より具体的な評価法の紹介、医薬品の保険適応の際の医療経済評価の利用について、NICEなど欧米各国での具体的な事例をご紹介いただいています。
本講義は、平成26年度に国立がん研究センターがん対策情報センターが主催した、メディア向けセミナー「医療経済評価」の講義です。「12.医療経済評価の手法の基礎」に続く講義となります。
医療経済評価を実際に政策に用いる際に生じる具体的な検討課題についてご紹介いただいており、非常に示唆に富む内容となっておりますので、医療に携わる者の基礎知識としてぜひ受講ください。01:05:57
がん研究に関連したバイオインフォマティクス入門《講師:西野穣》
バイオインフォマティクスとはどんな分野か、また、オミックスデータを活用するがん研究においてどのような役割を果たしているのか、わかりやすく紹介していただきました。最後にRを用いた実際の解析例も示していますので、御自身でもRを立ち上げて一緒に解析してみてください。
01:01:51
バイオインフォマティクスの概要《講師:加藤護》
バイオインフォマティクスとはどんな分野か、また、オミックスデータを活用するがん研究においてどのような役割を果たしているのか、わかりやすく紹介していただきました。DNA解析、RNA解析、機械学習などのデータ解析や、がんゲノム医療におけるプログラム開発などを豊富な実例と共にお話いただきました。
01:12:03
バイオインフォマティクスとは? 《講師:加藤護》
バイオインフォマティクスが対象とする研究課題や扱う生物学的データは多岐にわたります。
クリニカルシークエンスの情報を活用した研究でも重要な役割を果たしており、日常診療でもよく耳にするようになってきました。
バイオインフォマティクスとは何か、その役割についてわかりやすく解説いただきました。01:01:54
免疫療法の効果判定基準 《講師:中村健一》
本講義は、がんの多施設共同臨床試験グループJCOGの主催する、第18回JCOG臨床試験セミナー(中級編)で2015年10月10日に行われた講義を収録したものです。がんの臨床試験で用いられる治療効果判定規準の考え方について説明しています。
近年、ニボルマブを始めとした免疫療法の治療開発が活発に行われています。免疫療法は従来の抗がん剤ではあまり見られなかった経過を示すことがあるため、従来用いられてきた効果判定基準(RECIST)ではない新たな効果判定基準(irRC)が提唱されました。RECISTの考え方とirRCの考え方をわかりやすく紹介しているので、効果判定基準の本来の目的と正しい使い方の理解が深まります。00:50:27
意外と知られていないランダム化をめぐるトピックス 《講師:水澤純基》
「ランダム化」は治療開発に携わる方であれば誰もが聞いたことがある方法であると思いますが、ランダム化の詳細まで理解していることは稀ではないでしょうか。一言で「ランダム化」と言っても、ランダム化の方法は様々です。本講義では、一般的に用いられているランダム化の方法である「層別ブロック法」と「最小化法」の違いを、論文の記載と共に丁寧に説明しています。また、ランダム化の方法と主たる解析法の関係についても解説しています。あまりなじみのなかったランダム化の方法を理解する手助けとなりますので、ぜひ、履修してください。
「 生物統計基礎セミナー」に公開中の「ランダム化と交絡」も受講することをお勧めします。00:24:37
Real World Data(RWD)に基づく 診療実態の把握 《講師:石川ベンジャミン光一》
病院の情報システムに記録されているデータには、実世界における多様な患者・環境等の因子の組み合わせを反映した情報が含まれており、管理された環境下で行なわれる臨床研究のデータとは異なるRWD(Real World Data)として多くの関心が寄せられています。
本講義では、我が国において多くの施設から収集可能なRWDのひとつとしてDPC(Diagnosis Procedure Combination)データを取り上げ、その生い立ちや内容、分析の事例と、今後の活用に向けた課題等について紹介して頂きました。01:04:26
院内がん登録って何? 使えるの?《講師:東尚弘》
院内がん登録は以前より、全国のがん診療連携拠点病院で行われており、各施設で受診した全がん患者の基礎データがデータベース化されている、リアルワールドデータ(RWD)の一種です。臨床現場に負担をかけないための配慮から、その作業は基本的に研修を受けた「がん登録実務者」によって行われており、拠点病院は最低一人そのような人を雇わなければならないことになっています。
このデータは、国のがん対策のために、医療の実態を記述することが第一の目的であり、毎年報告書を公表していますが、研究のために二次利用をする体制が、都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会がん登録部会で定められており、現在はがん診療連携拠点病院の職員であれば利用可能と定められています。
今回は、院内がん登録の責任者である国立がん研究センターの東尚弘先生に院内がん登録の項目や、実際の活用事例について概説して頂きました。01:17:58
医療RWD:外部対照としての可能性《講師:野村尚吾》
Real World Data(RWD)を承認申請に用いるための議論が世界中で活発に行われています。今回は主にがん領域を対象にしてRWDを臨床試験の外部対照群に活用することを目的とした2021年-2022年の動向と、これを二次利用する研究の課題について説明していただきました。
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