Office for Human Research Protections(OHRP、被験者保護局)は、臨床研究に参加する被験者を保護することを目的とした米国政府の機関です。前身はOPRR (Office for Protection of Research Risks)というNIH(国立衛生研究所)に所属する組織でしたが、2000年6月に改組され、米国保健福祉省(Department of Health and Human Services、HHS)の直轄の組織として位置づけられました。
OHRPのFact Sheet (ファクト・シート):
OHRPは、HHSが実施または助成するすべての臨床研究の被験者保護を監督しており、主には下記の業務を行っています。
- 被験者保護に関する方針やガイダンスの策定
- 施設IRBの登録
- 被験者保護のための連邦保証(Federal Wide Assurance、FWA)における施設承認
- 被験者保護に関する教材の提供
HHSの研究費の助成を受ける研究に参加する施設は、米国内のみならず、どこの国であっても、その研究を審査するIRBをOHRPに事前に登録しなければならず、また施設としても、事前にFWA承認を得なければなりません。すなわち、日本の施設が海外の研究(グローバル研究)に参加する場合、その研究がHHSの助成を受けていれば、OHRPへのIRB登録およびFWA承認という手続きが必要となります。
OHRPは、IRB登録やFWA承認の要件として、IRB委員長やIRB関係者、施設長、そして研究者に対し、被験者保護に関するトレーニング(教育研修)を課しており、そのための多様な教材やシステムを提供しています。
それらのうち、「被験者保護保証 教育コース」というeラーニング教材は、以前に、施設がFWAを申請する条件として、OHRPがIRB委員長と施設長に対し、履修を義務づけていたものです。OHRPが提供する教材は、現在はWEBを用いたものが中心となっていますが、本コンテンツは一部リンク切れがあるものの現在でも参考になる内容です。また、日本にはあてはまらない部分がありますが、被験者保護についての基本的事項が簡潔にまとめられ、大変学びやすい教材となっていますので、臨床研究に関わるすべての方にご活用いただきたい教材としてご紹介します。
- 被験者保護保証 教育コース 原文(英語)
(本リンク先は現在は公開ページではありませんが、アーカイブとしてたどることができます)
受講者コメント