欠測データは、解析の段階で適切な処理を行わなくては、バイアスや推定精度の低下をもたらし、研究の最終的な結論にも重要な影響を及ぼす可能性があります。一方で、欠測データを扱う統計解析手法には、数理的に高度で難解な方法を必要とするものが多く、医学雑誌における査読でも、長らく曖昧な扱いがなされてきました。しかしながら、近年、欧米における医薬品開発の臨床試験での欠測データの扱いに関するガイドライン作成を受けて、さまざまな学術コミュニティにおいて、適切な統計解析を行うべきであるという議論が広まりつつあります。
本講義では、上記のガイドラインなどにおける、欠測データの統計解析の“dos and don'ts”のエッセンスについて紹介し、臨床研究の統計解析において、現在、最も普及している多重代入法(multiple imputation)について、卵巣がんの予後因子研究(Clark and Altman 2003, J. Clin.Epidemiol.56,28-37)を事例とした具体的な解析方法についてわかりやすく解説して頂きました。
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臨床研究における欠測データの統計解析 《講師:野間久史》
欠測データは、解析の段階で適切な処理を行わなくては、バイアスや推定精度の低下をもたらし、研究の最終的な結論にも重要な影響を及ぼす可能性があります。一方で、欠測データを扱う統計解析手法には、数理的に高度で難解な方法を必要とするものが多く、医学雑誌における査読でも、長らく曖昧な扱いがなされてきました。しかしながら、近年、欧米における医薬品開発の臨床試験での欠測データの扱いに関するガイドライン作成を受けて、さまざまな学術コミュニティにおいて、適切な統計解析を行うべきであるという議論が広まりつつあります。
本講義では、上記のガイドラインなどにおける、欠測データの統計解析の“dos and don'ts”のエッセンスについて紹介し、臨床研究の統計解析において、現在、最も普及している多重代入法(multiple imputation)について、卵巣がんの予後因子研究(Clark and Altman 2003, J. Clin.Epidemiol.56,28-37)を事例とした具体的な解析方法についてわかりやすく解説して頂きました。
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